neroliabs’s blog

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A novel complete blood count‐based score to screen for myelodysplastic syndrome in cytopenic patients

Br J Haematol. 2018 Nov 8. doi: 10.1111/bjh.15626. [Epub ahead of print]

 骨髄異形成症候群(MDS)の診断は、しばしば困難であり、時間と資源を消費する。しかし、血算(CBC)の徹底的な分析は、血球減少の他の原因の中からMDSをスクリーニングするのに役立つ可能性がある。この仮説を検証するために、新たに診断された109人のMDS患者およびMDSがないことが確認された50歳以上の399人の血球減少患者が前向き研究に登録された。マルチパラメータ分析では、平均粒子容積(MCV)、絶対好中球数(ANC)および好中球の内部構造の複雑さと分布の幅の中央値(Ne-WX)が2つのコホート間で有意に異なり、MDS-CBCスコアとして定義された。このスコアは、86%の感度および88%の特異性をもちMDSの予測を可能にした。MDS-CBCスコアは、89%の血小板減少対照においてMDSを除外した。さらに、MDS診断におけるスコア値の高さは、EFS(P = 0.02)および全生存期間(P = 0・01)の減少と有意に相関した。このスコアの検出力は、独立した検証コホート(MDS n = 34、血球減少対照n = 28)で確認された。 MDS-CBCスコアは、検査時に原因不明の血球減少患者からMDSからを疑い、あるいは除外する血液塗抹標本を用いた簡単で迅速なツールである。このようにして、CBCの評価時に血球減少を有する患者でさらなるMDS特異的な検査を行うかどうかのアセスメントを改善することができる。

 

コメント:Ne-WX、耳慣れないがつまりシスメックスの機械の中で行っているフローサイトメトリーを用いて、好中球の内部構造と分布幅を数値化したものということだろうか。うちの検査室でもできるのかな?