neroliabs’s blog

血液内科、感染症などの勉強記録用ブログです。まず続けることが目標。なお、本ブログに掲載された内容の正確性および安全性を保証するものではありません。本サイトの情報により万が一損害を受けた場合、本ブログは一切の責任を負えません。あらかじめご了承ください。

Chemotherapy-Free Initial Treatment of Advanced Indolent Lymphoma Has Durable Effect With Low Toxicity: Results From Two Nordic Lymphoma Group Trials With More Than 10 Years of Follow-Up

 2018 Oct 4:JCO1800262. doi: 10.1200/JCO.18.00262. [Epub ahead of print]

 

目的:低悪性度リンパ腫については、治療の適切なタイミングやその順序、治療レジメンの選択などは議論の余地がある。Nordic Lymphoma Groupの2つの無作為化試験では、症候性、あるいは明らかに進行している患者が化学療法は含まない、リツキシマブを含むレジメンで治療が行われた。この研究の目的は、この治療方法の長期生存や形質転換のリスク、新しい治療法の必要性を評価することである。
 
方法:データは、2つのNordic Lymphoma Groupの試験(1998〜1999年および2002〜2008年)のうち1つに登録された低悪性度リンパ腫患者321例(うち濾胞性リンパ腫[FL]が84%)の横断的フォローアップで集められた。すべての患者は、リツキシマブ375mg /m2を週1回、4週投与する治療を1回または2回受けており、148名には無作為にインターフェロンα-2aの追加が割り当てられた。追跡調査データは、臨床試験のデータベースや医療記録から臨床評価を繰り返された上で回収された。
 
結果:追跡期間終了時には、患者の73%が生存しており、無作為割付後の中央値追跡期間は10.6年であった。 とりわけ、36%(FLの38%)は化学療法を必要としなかった。 早期の病勢の進行のために24ヶ月以内に新たな治療を必要としたFL患者では、10年生存率は59%であったのに対して、より長期に寛解を維持していた患者では81%であった。 インターフェロンは長期予後を改善することは示されなかった。 全患者の20%(2.4%/年/人)およびFL患者の18%が形質転換と診断された。 悪性腫瘍合併が12%で認められた。
 
結論:症候性の低悪性度リンパ腫の患者の約3分の1(FLで30%、FLではない患者の23%)は、化学療法を含まないリツキシマブによる初回治療の後に長期間新しい治療を必要としなかった。 全コホートにおいて、10年生存率は優れており、安全性の重大な問題はなく、化学療法は大多数の患者で安全に遅らせることができる可能性があることを示唆している。
 
個人的な意見
・低悪性度リンパ腫で、ある程度の高齢者であればリツキシマブだけの治療というのもよいだろう。
・NEJMにでてきたリツキシマブ+レブラミドによる治療も、古典的な抗がん剤の入らないレジメンだった。今後このような治療がふえてくるのだろうか・・・
・低悪性度リンパ腫の、海外でのフォローアップ検査はどういった期間でどういったモダリティで行われているのだろうか?日本でも、担当医ごとに結構バラバラだったりするしなぁ。低悪性度リンパ腫のTTFTはフォローアップのタイミングに結構左右されそうで。