neroliabs’s blog

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CD47 Blockade by Hu5F9-G4 and Rituximab in Non-Hodgkin’s Lymphoma

N Engl J Med 2018; 379:1711-1721

 

CD47は腫瘍細胞に過剰発現しており、マクロファージの貪食作用を抑制している。

背景:Hu5F9-G4(以下、5F9)抗体は、CD47を遮断しマクロファージの貪食作用を誘導するマクロファージ免疫チェックポイント阻害剤である。5F9とリツキシマブを併用すると、マクロファージによる抗体依存性貪食作用への相乗効果が得られる。

方法:再発性または難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象とした第1b相試験を行った。対象はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)または濾胞性リンパ腫(FL)。5F9は1mg/kgを投与された後、毎週10mg・20mg・30mgの維持用量が投与され、有効性・安全性が確認され、第2相試験での投与量が決められた。

結果:合計22人の患者(DLBCL 15人、FL 7人)が登録された。患者の前治療レジメン数の中央値は4レジメン(範囲、2〜10)であり、患者の95%がリツキシマブに抵抗性であった。有害事象は主にグレード1または2であった。最も一般的な有害事象は貧血とinfusion reactionであった。貧血(予想されるオンターゲット効果)は、5F9の導入療法と維持投与によって緩和された。用量を制限する副作用はほとんどなかった。

第2相試験では、5F9は30mg投与された。この投与量で循環白血球・赤血球表面のCD47受容体はおよそ100%ブロックされた。CR+PRは患者の50%に認めた。CRは36%であった。

DLBCLではCR+PR 40%、CR33%、FL患者ではCR+PR 71%、CR43%であった。DLBCL患者の追跡期間は中央値6.2ヶ月であり、FL患者の追跡期間の中央値は8.1ヶ月で、効果があった例の91%はまだ効果が続いていた。

結論:リツキシマブと5F9の組み合わせは、agressiveまたはindolentリンパ腫の両者に効果をもたらした。

 

NEJMのビデオがわかりやすかった。

自分で訳してみたけど、日本語アブストラクトを見たほうが早かったな・・・