neroliabs’s blog

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Azacitidine in the ‘real‐world’: an evaluation of 1101 higher‐risk myelodysplastic syndrome/low blast count acute myeloid leukaemia patients in Ontario, Canada

British Journal of Haematology, 2018, 181, 803–815

 

 アザシチジン(AZA)で治療された、高リスク骨髄異形成症候群(MDS)患者の「現実の」治療成績は、ほとんど知られていないままである。カナダオンタリオ州で治療を受けた1101人の高リスクMDS患者(IPSSでintermediate-2またはhigh)、および芽球20~30%の急性骨髄性白血病(AML)患者を調査した。AZA投与スケジュールは、24.7%が7日間連続、12.4%が6日間連続、62.9%の患者が5-2-2の投与スケジュールであった。投与されたサイクルの中央値は、6(範囲1〜67)であり、少なくとも4サイクルを受けた患者692人(63%)に限られた場合、8(範囲6〜14)であった。生存期間中央値はコホート全体で11.6ヶ月であり、4サイクル以上のAZA投与患者では18ヶ月であった。投与スケジュールによる生存期間の差はなかった(P = 0.87)。高リスクMDSや芽球比率の低いAMLにおけるAZAの大規模な「現実の」評価では、予想よりも低い生存中央値が示された。投与スケジュールによって生存率は変わらなかった。 OSは、少なくとも4サイクルの治療を受けた患者においてより高く、効果出現までの治療継続が必要であるということが強調された。この調査は、高リスクMDS /低芽球比率AMLにおけるAZAの最大の「現実の」評価を表している。

 

AZA-001 traialでは、高リスクMDSや芽球の少ないAMLに対してAZA投与により予後の大幅な改善を認めていると報告されている(既存治療で15ヶ月、AZAで24.5ヶ月)。これに対する「現実の」治療成績をまとめたもの。患者さんにAZAの治療成績を提示するならこちらのほうが現実的か。